虫かぶり姫 ２巻のあらすじ・感想
「虫かぶり姫」の2巻を読みました。
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1巻の前半では、エリアーナがアイリーン嬢のワナによって周囲からあらぬ誤解を受けているのでは・・・
とヤキモキしていましたが
2巻ではクリストファーたちがエリアーナに対して距離を取っていた行動の本意がわかります。
〜ネタバレあります〜
1巻の終盤で
エリアーナに階段から突き落とされた、と嘘の証言をしたアイリーン嬢。
彼女とその父・パルカス子爵に対するクリストファーの追求が始まりました。
2巻では、
エリアーナの殺害を企てた
黒幕・パルカス子爵の動機や背景がクリストファーによって明らかにされます。
事の起こりは約１ヶ月前。
高価で貴重な陶磁器が発見されたところから始まります。
エリアーナが偽物と指摘したその陶磁器は、
王家の信頼が厚いカスール伯爵の手によって持ち込まれたものでした。
しかし、その仲は良好なものではありませんでした。
カスール伯爵家を陥れようとしたが、エリアーナに気づかれ失敗。
それで彼女に復讐しようとしたのか、娘を王太子妃にするためだったのか
何れにせよ、パスカル子爵がエリアーナに対する傷害未遂と贋作騒動の首謀者であったことが明るみに出ます。
パスカル子爵家の悪行を防げなかったカスール伯爵もまた、本家として連帯責任を問われます。
伯爵は、不祥事から救ってくれたエリアーナに感謝し
彼女を王太子妃として認めると宣言するのでした。
それこそがクリストファーの狙いだったのです。
カスール伯爵は、最後まで残った反エリアーナ派の貴族でした。
伯爵の言葉を聞き、満足そうなクリストファーに対し
固まってしまうエリアーナ。
駄目押しのように
エリアーナを自分の婚約者として認めない者は申し出ろ
と高らかに呼びかけるクリストファー。
その場に居合わせた人々は拍手と歓喜で応じるのでした。
その後、クリストファーとふたりきりになったエリアーナ。
初めてすべての事情を知らされることになります。
それは4年前、ふたりが婚約した時のこと。
ベルンシュタイン家はある条件をクリストファーに提示しました。
それは、当家に伝わる「隠し名」を公にすることなく、
エリアーナとの結婚を皆に認めさせること。
そして、彼女の本に向ける愛情以上にクリストファーに対して興味を抱かせること。
その条件が満たされた。
パスカル子爵の犯罪の証拠を掴むため、アイリーン嬢に近づいたクリストファー。
彼がアイリーンを愛していると勘違いしたエリアーナは、贈られた書物を突き返し
自室にこもって大好きな本も読まなくなりました。
そのことでエリアーナも彼に好意を抱いてくれていたと分かった、
と語るクリストファー。
誤解されるような行動を取ったことを謝罪し、
彼女のために苦労して見つけてきた書物を再びエリアーナに贈ります。
見つめ合うふたり。
このままキスしそうなムードのなか・・・
エリアーナはクリストファーに
その「隠し名」について教えて欲しい
と頼みます。
＊＊＊＊＊＊＊
1巻の前半では、エリアーナだけが蚊帳の外で
クリストファーたちがパルカス子爵やアイリーンの正体を暴こうと奮闘していたことが
隠されたままでした。
一見エリアーナに対して冷たいと思われた彼らの態度が、すべて彼女を守るための行動であったことがわかります。
さらに、クリストファーはエリアーナを妃にするため
彼女の知らないところで実に周到かつ綿密な計画を立てていました。
パルカス子爵の起こした事件ですら、最後までエリアーナを認めようとしなかったカスール伯爵を攻略するために利用するしたたかさ。
そして、めでたくエリアーナと両思いになり、周囲の支持も得ることができたクリストファー。
彼のエリアーナに対する愛情が止まらなくなり、甘々なシーンも多いです。
モヤモヤしていた謎が一気に解消し、爽快な気分になれました。
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