shrichangの日記

好きな漫画や小説の感想、オンライン講座、心の健康のことなど書きます。

シビアで感動するファンタジー 「王の獣」

本屋さんで平積みになっていたのを見て気になり手に取った1冊です。

 

王の獣、第1巻。 

 

[広告]

王の獣(1) (フラワーコミックス) [ 藤間 麗 ]

価格:484円
(2019/12/13 12:50時点)
感想(0件)

 

 

〜ネタバレあります〜 

 

 

 

 

 

中国のような世界が舞台のファンタジー

・・・

なんですが、

夢物語なファンタジーではない。 

結構、シビアです。

 

 

主人公は、亜人と呼ばれる獣の属性を持った少女、藍月。

狐のようなふわふわの耳と尻尾を持っています。

本当に、かわいい。

 

双子の弟、蘇月と苦労しながらも幸せに暮らしていたのですが、

ある日、蘇月が亜人の中でも特殊能力を持つ異能者であったために

引き離されてしまいます。

 

弟は第四皇子の従獣となるも、何者かに殺害されます。

 

第四皇子その人の手にかけられたと噂を聞いた蘭月。

女であることを捨てて武器を取り、復讐を誓います。

 

 

亜人は人間よりも優れた能力を持ちながら、虐げられた生活をしています。

男は労役を課され、女は体を売らなければならない。

虐められても、人間に対して手を挙げることは許されない。

 

最愛の弟を失った藍月は、そんな過酷な現実を生きている。

彼女は「地獄」だと言いました。

 

藍月の唯一の希望が、弟を殺した犯人に復讐をすることだったのです。

 

こんなにも厳しい現実。

ファンタジーだけど、現実に存在するよね。

世の中には、いっぱい藍月がいるよね。

 

そう思ったら、なんだか泣けてくる

 

 

でも、悲しいだけのお話ではないんです。

人間の絆のお話なんです。

 

 

晴れて第四皇子・天燿の従獣となった藍月は、意外な事実を知ります。

それは、弟を殺した犯人は天燿ではないということ。

 

天燿は、従獣を見下すような人間ではなく、

蘇月の死を心から悼んでいました。

 

蘇月の二の舞になることを恐れて、新しい従獣を付けずにいましたが、

その候補となった藍月には、誰よりも強くあって欲しいと願います。

 

 

蘇月を思う天燿の気持ちを信じた藍月は、彼を護り抜くことを誓います。

 

この場面!

なんだかじーんと来る。

 

弟の死から、孤独で気を張って生きてきた藍月が

やっと、信じられる相手に出会えたんだね・・・!

よかったね。

 

って。

 

蘇月を殺した犯人はまだ分からないし、藍月自身も命を狙われているのですが

(どうも天燿の兄が怪しいよーな・・・)

 

それでも、仲間がいるだけで

世の中の景色が変わって見えますよね。

 

藍月。応援してるよ。