愛は危険? Never Resist a Sheikh
Jackie Ashendenの「Never Resist a Sheikh」あらすじ・感想の続きです。
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〜ネタバレあります〜
部族長たちに新しい妃候補(=フェリシティ)を紹介するために砂漠を訪れたフェリシティとザキール。
お互いの気持ちを認めて愛し合い、幸せな時間を過ごします。
フェリシティの起業家としての才覚を知り、部族長たちも彼女を賞賛。
しかし、これでハッピーエンド・・・にはなりませんでした。
フェリシティを自由にしてやりたいとの思いから、ザキールは彼女に選択肢を与えます。
砂漠での滞在期間が終わった時に、彼女がそう望めばアル・シャクラから解放するというもの。
ザキールは
フェリシティを閉じ込めておきたい!
彼女を自由にしてあげたい!
という二つの思いで引き裂かれます。
ザキールを心から愛し信頼するフェリシティは、このままアル・シャクラに留まり妃になることを考え始めます。
しかし、彼女が
「あなたは私にここにいてほしい?」
と訪ねると、ザキールはこう答えます。
もちろん。
部族長たちは君を花嫁として認めている。
彼自身ではなく王として自分を求めているのだと思い、傷つく彼女。
ザキールはフェリシティを傷つけたことに気づきますが、このまま彼女をアメリカへと帰すことを決意します。
なぜなら、
怒りや嫉妬、所有欲・・・
フェリシティへの思いを受け入れれば、自分は兄のように暴力的になってしまう。
彼女の安全を守るために自分のそばにいない方がいい、と考えます。
初めは強引で俺様なのになぜそこで弱気になるザキール!ともどかしくなります。
そして訪れた最後の日。
フェリシティは、もし自分がここに留まることを望んだらどうするのか、と尋ねます。
しかし、ザキールの心は変わりませんでした。
このままここにいたら君を傷つけてしまう
これに対しフェリシティの言葉は
私はあなたを愛しているし、それを認めることを恐れない
あなたは兄の狂気を隠れ蓑にして逃げているだけ。
フェリシティの心が強さが伝わるシーンでした。
結局、フェリシティはアメリカに帰ることになります。
4週間後、彼女を失ったザキールは荒れてしまっていました・・・
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「Never Resist a Sheikh」の面白かったところは
王に誘拐された女性が恋に落ちてハッピーエンド、のような単純な話ではないところ。
フェリシティは愛情深い家庭に育ったとは言えないですが、それでも自分自身とザキールを信頼する心の強さをもっています。
一方のザキールは、タフで中世の騎士のような外見と考え方の持ち主。
その強靭さとは裏腹に、家族の起こした事件がきっかけで女性と深い関係になることを極度に恐れていました。
身体は鍛えられても、劣等感や罪悪感は無くならない。
誰かを愛した時、心は無防備になります。
その時に自分を信じられるか、相手を信じられるか。
勇気。それに尽きるなと思いました。